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左官って何をするの?
左官とは、建物の壁や床などを、コテを使って塗り仕上げる仕事です。
主にモルタルや土、石膏や漆喰といった材料を建物の床や壁に塗り固めていくのが左官工事です。
一般的に左官工事というと、建物の表面を仕上げるイメージが強いかもしれませんが、実際には床や壁の下地造りに多くの割合を占めています。
左官は、外壁でも使用されますが、今回は内装リフォーム工事での左官について取り上げました。
【解体後の下地補修】
内装工事では、解体後の補修を左官で行う場合が有ります。
マンションや団地は、鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造といった構造物で、天井、壁、床はコンクリートで覆われています。
解体後には、壁や床の下地を平滑にならすために、ひび割れやコンクリートの凸凹などの補修する左官下地処理を行います。
【床張工事の為の下地処理】
リフォーム工事で床材を変更する時に、「セルフレベリング(レベラー)」と呼ばれる床をならす左官工事を行う場合があります。
例えば、カーペットや畳の床をフローリングにリフォームをする際、既存の床下地が平らではない状態のままフローリング材を貼ると、波打ったり段差が生じたりします。
そこで、新規の床材をきちんと施工する為に行うのがレベラー工事です。
床面に流して用いる下地調整材のセルフレベリング材。 床スラブの上にレベラーを流すことにより、水平面を作ります。
※解体後に水平が取れている場合はレベラー工事を行わずに床材を貼ることが有ります。
【内装の左官仕上げの主な種類と方法】
■漆喰
白いイメージが強いかもしれませんが、近年では多くの色を選べるようになりました。
漆喰は、呼吸する材料とも言われ、湿度の高い時期は水分を吸収し、乾燥する時期は水分を放出して部屋の中を快適に保ってくれます。
古くは蔵の壁に多く使われ、その湿度調整ができる特徴によって貴重な収蔵品を守ってきました。
漆喰の主な原料である石灰石は不燃性で防火性が高いこと、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを吸着・除去してくれることから、現代の住宅にも多く取り入れられています。
■珪藻土
珪藻土は、海や湖珪に生息する「珪藻」と呼ばれる藻類の「死骸の殻の化石」よりなる堆積岩です。
完全な自然素材で有害な化学物質を含まないため、アトピーやシックハウス症候群といったアレルギー症状を引き起こす心配がありません。
吸水性、耐火性、断熱性に優れているので、暮らしを守るという意味でも注目されている素材です。
左官壁に使う時は、糊を加えて固めます。
■聚楽壁(じゅらくかべ)
聚楽壁とは土壁の一種で、そもそもは、京都の聚楽第跡地の限られた場所産出された非常に貴重な「聚楽土」を使った壁です。
現在では、同じような仕上がりになる壁をすべて聚楽壁と呼んでおり、使う土によって多彩な色を生み出すことができます。
■モルタル
…コンクリートと似ていますが、材料に砂利を使用しません。
仕上げ材としてはもちろん、壁そのものを作るのも可能です。
いわゆる「コンクリート打ちっ放し」に近い雰囲気を出せます。
スタイリッシュなデザイン性の高さから人気を集めています。
■ジョリパッド
塗料に砂などを混ぜて作られており、180 以上のカラーと100 以上のデザ インから選ぶことができます。
■左官壁の仕上げパターン
・コテ波…漆喰で仕上げるときに人気の模様です
・扇仕上げ…その名の通り、扇状に模様を残していく仕上げ方法です。
・スパニッシュ仕上げ…壁全体を厚塗りしたあとに、コテでエッジを効かせて塗り跡を長方形になるように塗り跡を残していきます。
・ハケ引き仕上げ…ブラシタイプのハケを使い、横線模様を残していく仕上げ方法です。
・コテバケ仕上げ…コテの表面がハケになっている道具で、全体が平になっている壁を塗るときに使います。
・ローラー仕上げ…ローラーを使って塗壁材を塗って仕上げていきます。
・スポンジ仕上げ…キッチンで使うスポンジを使って仕上げていく方法です。
※以前ご紹介しました『内装の塗装仕上げ』も合わせてご覧ください。
【オススメの左官工事】
内装に左官を取り入れてみたいと考えている方には、ポイントとなる部分や一面だけに左官壁を取り入れる方法をおススメします。
アクセントとして左官壁を採用することで、一層味わいが出てきます。
そのうえ、コスト面でも抑えられて経済的です。
是非! 参考にしてみてください。
マネージャー 白田